2013年10月31日木曜日

AK47

英語の間違いではありませんが、日本とアメリカのお国がらの違いを示すいい例なので紹介します。日本でAKB48と言えば少女歌劇団ですが、アメリカでAK47というと自動小銃です。似た言葉なのに、少女歌劇団と自動小銃の違いがあります。二つの国の国内事情の違いだと思いませんか?

モデルルームオープン

モデルルームオープンと言えば、モデルルームがオープンしたと分かりますが、英語でmodel room openとしても、三つの名詞(model, room, open)が単に並んでいるだけなので、インパクトがありません。Open を動詞と考え、Model room opens!とすると、少しインパクトが出ます。英語で一般的な表現にgrand openingがあります。これは「華々しくオープンする」という意味ですが、この表現を使ってThe grand opening of a model room.とすると、インパクトがあり聞いていて安心です。

フリー記者

どこの新聞社にも属さずに仕事をする記者をフリー記者といいますが、これは和製英語です。フリーは英語ですが「無料の」という意味なので、フリー記者は「無料の記者」という意味になると思いますが、free writerといっても通じません。正しくはfreelance writerといいます。

オーダーメイド

オーダーメードは日本語で英語ではありません。英語ではtailor madeといい、服屋さんに行き、腕の長さや胸回り、胴回りなどを測ってから服を作る事です。Tailorは服屋さんのことです。別の表現としてmade to orderという言い方もあります。

2013年10月29日火曜日

企業がスポンサーの英語教育

企業がスポンサーとなり、英会話の授業を行う場合があります。生徒は企業の従業員で講師は教育会社から派遣されます。この場合、スポンサー企業、生徒、講師、教育会社の四者の間に微妙な意識の違いがあります。

日本で生活する限り英語を話す必要性はありません。道で誰かに英語で話しかける可能性はほとんどありませんし、英語のメールを書く事も皆無に近いはずです。この状況はビジネスの場面でも同じで、誤解を恐れずに言うと、国内で勤める限り、英語の必要性はほとんどないと言って正しいと思います。日常業務を英語で行う会社はありませんし、海外のお客様と英語のメールをやり取りする人も多くありません。

このような状況にもかかわらず、ビジネス界では英語が必要だとされています。その理由が日本の企業のグローバル化なのですが、この議論には実は説得性が欠けています。その理由については今は差し控えさせて下さい。

議論を国内に戻し、英語学習の必要性について考えます。日本で生活をする限り英会話の必要性は皆無に近いので、英語を勉強する積極的な理由はみあたりありません。にもかかわらず英語を勉強する人は多いのですが、その理由として『英語を話せたらいいなあ』という気持ちがあるからだと思います。この気持ちを英語教育で内的要因、英語でintegrative motivationといいます。一方『TOEICで高得点をとるために勉強する』という理由もあります。これを外的要因といい、英語でinstrumental motivationといいます。一般的にIntegrative motivationは強い影響力を与え、instumental motivationは弱い影響力を与えると考えられています。

企業研修で英語を習う時の問題点として、まず「英語学習の理由が極めて弱い」という状況があります。そのため、企業は英語学習の具体的な効果を示す事ができず、TOEICなどの試験で高得点を得る事を目標にする場合がありますが、これは短絡的な考えです。学習者にとって、TOEICの高得点と日常業務の間に関連性を見つけることは難しく、英語を積極的に学習する理由にはなりません。しかし、「授業料は会社が払うから」英語研修に出席する人もいます。

一方『英語を話せればいいなあ』というintegrative motivationは無傷のまま残っていますので、企業の意向とは関係なく英語を勉強する人がいます。この場合、学習者の意識と企業の意識の間に関連性はありません。講師は学習者と企業との意識の乖離(かいり)に気がつかないまま授業を進めます。

実は、企業がスポンサーの英会話教育は成功しない例が多いのです。


2013年10月28日月曜日

フリーダイアル

企業などが電話料金を払い、電話をかける人には料金がかからないサービスをフリーダイヤルといいますが、英語でfree dialと言っても通じません。Freeは無料、dialはダイヤルという意味ですが、free dialは無料のダイアルという意味になります。つまり、ダイヤルを買ってもお金はかからないという意味ですが、無料だからといって電話を買わないでダイヤルだけ買う人はいませんから、意味は通じません。英語ではtoll free numberと言います。Tollは料金という意味で、有料道路の料金という時などに使います。Freeは無料、mumberは電話番号のことです。

レッテルをはる

レッテルという言葉があります。「白か黒のレッテルをはる」という様に使います。レッテルの語源はオランダ語のletterだそうです(http://ejje.weblio.jp/content/レッテル参照)。江戸時代の人はletterをレッテルと発音していたのでしょうか。

レッテルは英語でlabelといいます。Lableは動詞ですが、「白か黒のレッテルをはる」をそのまま英語にはできません。英語で「白か黒」というと、「白黒をつける」という意味合いだけに使い、その場合の動詞はlabelではなく、sayが使います。例としてto say in black and white termsがあります。英語の場合「白黒」は語順を逆にして「黒白」といいます。「偽善者のレッテルをはる」はto lable someone as a hypocritといいます。偽善者はhypocriteです。

サラリーマン

サラリーマンは古典的なまちがい英語の一つです。サラリーをとる男という意味で作られた和製英語だと思います。もちろんサラリーは英語ですし、男に対する英語としてmanがありますので、サラリーをとる男という意味でsalaried manという事はできます。しかしこの表現は英語の語彙のにはないので、使わないで下さい。

サラリーマンに対する英語はbusinesspersonかbusinesspeopleです。Personは単数形なので、複数形はbusinesspersonsといいます。Popleの複数形はpeopleなので、businesspeopleの複数形はbusinesspeopleです。

2013年10月20日日曜日

Integrative motivation

日本人にとって英語を話す機会が少ないのは、ジョン万次の時代から変わっていません。ジョン万次郎についてごく簡単に説明を加えると、江戸末期に和歌山県沖で漂流し、アメリカの捕鯨船に助けられた日本人の少年です。万次郎没後、約150年の年月が過ぎましたが、現代でも英語を話す機会が少ない事情に変わりはありません。一生のうちに英語を話さない日本人もいるかもしれません。このような状況下で英語の勉強を強要するのは無理があると思います。ビジネス界では英語の習熟度が採用の基準になっていますが、英語を必要としない人に英語の知識を要求するのは矛盾にみちています。TOEICでいい成績を取れないと昇給しないので、TOEICで高得点をとるための勉強をするビジネスパーソンは多いのですが、このような理由で英語を勉強する立場をinstrumental motivationといいます。instrumental moivationは外的な要因のmotivationという意味です。英語を使う場面がないにもかかわらず英語を勉強する人はたくさんいます。この立場をintegrative motivationといいます。Integrative motivationは内的な要因のmotivationという意味です。Instumental motivationで勉強する人は勉強が苦しそうですが、integrartive motivationで勉強する人は勉強が楽しそうです。

2013年10月16日水曜日

英語教師に対する差別

英語は英語のネイティブスピーカーに習いたい、という考え方があります。これが発展すると、英語は英語のネイティブスピーカーにしか教えられない、という考え方にもなります。この立場をthe native speaker fallacyと言います。Fallacyは誤った考えという意味です。

英語教育学では、the native speaker fallacyは各国に存在するとされています。つまり、「英語は英語のネイティブスピーカーに習いたい」という気持ちは世界中にありますが、これが発展すると「どんなに英語が上手でも、ノンネイティブの講師には習いたくない」という立場にもなります。これを偏見といいます。この偏見が更に発展すると「どんなに英語がうまくても、あの先生はノンネイティブだから習わない」と考え、その授業に出席しない、あるいはその先生の学校に行かないという行為に及ぶ事があります。この行為は差別になります。ノンネイティブを日本人と置き換えて、日本人講師が教える英語の授業は嫌だと考えると偏見になり、日本人が教える学校に行かないと人種差別になります。整理すると、感情は偏見、行為は差別、特定の人種を指した差別を人種差別といいます。

日本人の生徒が日本人の英語講師を差別する事はあります。「先生は英語が上手だし、先生に習えば英語が上達すると思うけれど、先生は日本人だし、やっぱりネイティブスピーカーの先生に習いたい」と考えると、それは偏見になります。「どうせ習うならネイティブスピーカーに習いたい」と思い、その先生の授業にでないと、人種差別になります。

人種は社会学的にはあいまいな言葉なのをご存知ですか?Thioは「人種を厳密に定義するのは困難である」と述べています(1986, p. 217)。両親の人種が違うと、その子供はハーフになります。その子供の子供はクオーターといいます。では、その子供の子供の子供は何ですか?アメリカ英語ではもう用語がありません。


Reference

Thio, A. (1996). Sociology and introduction. New York: Harper & Row.

英語は冷たいか?

英語ははっきりした言葉ですが、冷たい言葉ではありません。英語がはっきりした表現を好むのは、英語が発展してきた歴史に関係します。英語が生まれたのは古代ヨーロッパで、AngloとSaxonというニつの言語が基になっています。シェークスピアが生まれるもっと前です。その後さまざまな言葉が混ざって現代英語になりました。だからスペルと発音はもとの言語の影響をうけるので、一定のルールがありません。これは歴史的な考察ですが、社会学的にも混成言語としての影響が考えられます。つまり仲間うちの言葉使いは他のグループの人間に通じにくい、という問題があります。だから、どのグループにも通じる言葉使い、つまりはっきりした言葉使いが発展してきたのだと思います。日本語の発達の歴史はその逆になります。日本人は単一民族かどうかという議論は別として、日本語は明確な表現を嫌い、中間的な表現を好むのは事実として間違いがありません。この様な言語感覚の持ち主が、英語のような明確な表現に遭遇した時に「冷たい」と感じるのかも知れません。

オブラートに包む

つい最近に大変に楽しいクラスを担当しました。その中で英語の表現についての議論があったので紹介します。

日本語では「オブラートに包む」とか、「オブラートでくるむ」とか言いますが、これは「やんわりとした表現をする」という意味で、オランダ語のoblaatとは関係ありません。なぜオランダ語のoblaatが「やんわりとした表現」の意味に変わったのかは分かりませんが、同じ意味の表現として、英語にはsugercoat があります。文字通り「砂糖でコートする」つまり「砂糖でくるむ」という意味です。SugercoatはHe sugercoats his words.のように使います。

これと似た表現でdiplomaticという英語もあります。「外交官のような」という意味です。使い方の例としてHe is diplomatic.があります。この人は「外交官である」という意味ではなく、この人は「あたりさわりのない表現を使う」という意味です。

2013年10月14日月曜日

ラジカセ

ラジカセはラジオとカセットの合成語です。英語ではradio casettといいます。

2013年10月4日金曜日

アルカリ性

アルカリは英語でもalkaliといいます。ただしこれは名詞で、形容詞はalkalineです。だから「この土壌はアルカリ性だ」は英語でThis soil is alkaline.といいます。

ナトリウム

ナトリウムは英語でsodiumといいます(http://ja.wikipedia.org/wiki/ナトリウム)。Natriumはドイツ語だそうです。

テーマ

テーマは英語でthemeといいます。テーマパークは英語でtheme parkといいます。テーマはthemeのドイツ語読みらしいです。(http://ja.wikipedia.org/wiki/参照)

オフレコ

オフレコは日本語です。英語ではoff the recordといます。I'll tell you, off the record.の様に使います。Off the recordという表現を使う場面はかなり限られます。Recordすなわち「記録」されては困る場合に使いますが、記録されては困るとはどのような話ですか?犯罪の話ですか?秘密の話ですか?Off the recordの会話をするのは大人です。職場で使うとしたら、何かの秘密情報を手に入れた時かもしれません。

アルバイト

アルバイトは英語ではありません。アルバイトの英語としては、a part time jobが最適です。「私はアルバイトをしている」はI have a part time job.といいます。I work part time.という表現も可能です。この場合、part timeはworkにかかる副詞の働きをします。

2013年10月3日木曜日

ポイントカード

ポイントカードという言葉があります。大きな小売店が発行するカードで、消費者が購買した金額に応じて「ポイント」が支給され、ある一定以上のポイントがたまると、何らかの商品やサービスに還元される仕組みになっています。英語的にはpoint cardでは意味をなさないので、形容詞を足さなくてはなりません。ポイントのように「一般的な名詞は、単独で使うと意味が広すぎるので、形容詞をつけて意味を明確にするといい」というルールがあります。これは文法ではなく英語の書き方のルールです。ボーナスという言葉をご存知だと思います。ボーナスは「思いがけない収入や、突然に入手できた物」などを指す言葉です。だからボーナスを使って、Bonus Point Cardとすると「すわりのいい」英語になります。

2013年10月1日火曜日

More Healthy

新聞でMore Healthy & More Beautifulという英語の広告を見ました。製薬会社の宣伝です。Healthyの比較級はhealthierなので、more healthyではなくhealthierを使ってHealthier & More Beautifulが正しい英語になります。

ムーディー

ムーディーをムードのあるという意味だと思う人は多いのですが、英語のmoodyはmoodが変わるという意味で、むら気なとか、移り気なとかいう意味の形容詞です。日本語でムーディーな照明といえば、いい雰囲気の照明という意味ですが、これはもちろん誤用です。Moodyは人間の性格を表す言葉なので、照明や部屋には使いません。